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2016年9月23日金曜日

キノロン耐性肺炎球菌の新規検出法・J Microbiol Methods (Note)


Uno N, Araki N, et al. Clinical application of a ligation-independent pathway of multiplex ligation-dependent probe amplification for the determination of quinolone susceptibility of Streptococcus pneumoniae. J Microbiol Methods. 128:13-5, 2016(リンク).


 当教室の宇野直輝助教が新たな核酸増幅法を開発し、キノロン耐性肺炎球菌の検出に応用した論文がJournal of Microbiological Methods誌に原著論文として掲載されました(2016年9月付)。

 現在、MLPA(マルチプレックスライゲーション依存的プローブ増幅法)というマルチプレックスPCRの応用法が筋ジストロフィー等の遺伝性疾患の検査技術に用いられています。MLPAはその名の通りライゲーション依存的反応と考えられていましたが、宇野直輝助教はMLPAのライゲーション非依存的反応経路を以前明らかにしています(Analytical Sciences. 30: 805-10, 2014.)。今回は、このライゲーション非依存的プローブ増幅という新しい核酸増幅法をキノロン耐性肺炎球菌の検出に応用しました。この方法はMLPAに比べてかなり迅速で簡単な方法であり、微生物の迅速診断技術に応用できます。しかし、現時点ではMLPAほどのマルチプレックスの反応ができないのが課題です。

 当教室では、宇野直輝助教を中心に、遺伝子解析技術をベースとした新規検査法の開発を行っています。研究内容に興味のある方がいらっしゃったら、お問い合わせください






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