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2018年9月19日水曜日

受賞報告(井上満治医学研究奨励基金)

 当検査部の微生物検査室所属の村田 技師と医学部5年生で2年生のときから当教室でMRSAについての研究をしている石毛 君が平成30年度井上満治医学研究奨励基金を受賞しました(大学のリンクはこちら)。

 この奨励基金は、在学中に優れた研究発表を国際学会、国際誌に行った者、あるいは将来国際的な医療・研究活動を期待できる医学系大学院生、学部学生に報奨金として授与されるものです。村田 技師は、大学院入学後に1st authorとして執筆した学術論文(リンク)で、石毛 君は現在投稿準備中で今年のASM Microbe 2018で発表した研究(リンク)で受賞しました。

 二人の今後の活躍にも期待したいです。


当教室では、これからも検査技師の研究および学術活動を積極的に支援していきます。
 これまでの受賞報告は→こちら

 

2018年9月18日火曜日

第11回長崎臨床検査R-CPC研究会



98日(土)に、長崎大学医学部良順会館で第11回「長崎臨床検査Reversed-CPC研究会」を開催しました。

今回は初の試みとして、ランチョンセミナー「NGSの最新情報、そしてゲノム医療の実現を目指して」(イルミナ株式会社)を行いました。特別講演では、 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科リウマチ・膠原病内科分野教授 川上 純 先生に、「サイトカインや免疫担当細胞とリウマチ性疾患との関わり」という題目で、免疫疾患に関係するJAK伝達経路や免疫疾患との重要性について御講演頂きました。

R-CPC1症例目の担当は、長崎医療センターの井田 技師に担当して頂きました。播種性骨髄癌症の症例で、急激に悪化してDICからMAHAを起こし亡くなられたという症例でした。2症例目の担当は長崎大学病院の大林技師で、低カリウム血症と代謝性アルカローシスからアルドステロン症を疑う症例でした。追加データでは、血清アルドステロン、血漿レニンがともに低値で、漢方薬の一種である甘草が原因で起こる偽性アルドステロン症という症例でした。
 両症例とも示唆に富む症例で、検査データをよく読んで有効な追加検査を行うことの重要性を再認識でき、とても勉強になるR-CPCでした。

 
次回開催につきましては、詳細が決まりましたら検査部のホームページやFacebookでお知らせいたしますので、ぜひご参加下さい。
 
初めての方や研修医・学生も大歓迎です。参加の連絡は不要ですので、お気軽にお越しください。

これまでのR-CPCの報告は→リンク


2018年9月10日月曜日

腸内細菌科細菌におけるplasmid媒介性AmpC・Jpn J Infect Dis


Nishimura F, Morinaga Y, et al. Plasmid-mediated AmpC β-lacatamase and underestimation of extended-spectrum β-lactamase in cefepime-susceptible elevated-ceftazidime-MIC Enterobacteriaceae isolates. Jpn J Infect DIs. 71 (4): 281-5, 2018.


 当教室の大学院生(2018年〜月学位取得)であった生化学検査室の西村主任の〜についての論文が国立感染症研究所が発行する英文誌Japanese Journal of Infectious DIseases (JJID)に原著論文として掲載されました(2018年6月24日付)。


基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamaseESBL)やプラスミド媒介性AmpC β-lactamase (plasmid-mediated AmpC β-lactamasepAmpC)を保有する腸内細菌科細菌が、世界的に広がっています。pAmpCの存在、特にESBLと同時に保有している際に薬剤耐性菌の同定を複雑にしており、pAmpCESBL表現型の検出を干渉する可能性があります。そこで、本研究ではESBL産生菌の可能性があるセフタジジムの最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentrationMIC)pAmpCが加水分解できないセフェピムのMICに着目し、ESBL単独、pAmpC単独、ESBLpAmpCを保有する可能性のある株およびESBL表現型の検出に与えるpAmpCの影響を調査しました。その結果セフェピム感性セフタジジムMIC上昇の株におけるpAmpC保有率は27.5%と高率で、この集団でpAmpC保有株を効率的に検出できたと推測されます。また、pAmpC保有株ではESBL遺伝子を保有しているにも関わらず、表現型ではESBLと判定されていない株が有意に多く認められました。これらのことから、pAmpCがESBL表現型の判定に影響を与えている可能性が示唆されました。

 当教室では、栁原 教授森永 講師賀来 助教の指導のもと、微生物の分子疫学的解析をを行っています。臨床検査技師の大学院生も多く所属し、研究を行っています。また、研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2018年9月4日火曜日

AccraseedによるTSH、FT4およびFT3の測定・医学検査

臼井 哲也、南 惣一郎、賀来 敬仁、栁原 克紀. 新規免疫自動分析装置AccraseedによるTSH、FT4およびFT3測定試薬の基礎的検討. 医学検査. 67 (4): 443-50, 2018.


 当検査部の生化学検査室所属の臼井主任の新規免疫自動分析装置によるTSH、FT4、FT3測定試薬の基礎的検討が、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会の機関紙である医学検査に技術論文として掲載されました(2018年7月付)。

 患者への速やかな治療の開始などの観点から診療前検査が普及しています。今回、検体の採取から結果報告までの迅速化の可能性を検討するために、測定時間が10分という自動化学発光酵素免疫分析装置Accuraseedを用いてTSHFT4FT3の基礎的検討を行いました。また本装置とルーチン法のモジュラーおよびARCHITECT、ルミパルスの3機種の装置を用いて迅速性に関する比較検討を行ったので報告する。甲状腺3項目の基礎的検討として、再現性(同時、日差)、相関性、最少検出感度、直線性、共存物質の影響について検討を行った。その結果、ルーチン法との相関性において回帰式傾き(本法が低め傾向)および乖離検体(1例)が認められたが、それ以外の同時再現性、最少検出感度等他の検討の全てにおいて、良好な結果が得られた。なおFT3において発生した乖離検体1例についてはPEG処理による測定値挙動から異好性抗体の影響を本法が受けている可能性が考えられた。また迅速性の検討において、結果報告時間は、本装置では15分で、モジュラー、ARCHITECTおよびルミパルスは各々27分、33分、37分となり、本装置を用いることでTATの短縮化の可能性が示唆された。

 当検査部では、基礎研究だけでなく、検査に関連した臨床研究も積極的に行っています。
 これまでに紹介した論文は→リンク