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2018年8月23日木曜日

C.difficileのフィダキソマイシンへの感受性・J Infect Chemother


Yanagihara K, Akamatsu N, et al. Susceptibility of Clostrdium species isolated in Japan to fidaxomicin and its major metabolite OP-01118. J Infect Chemother. 24 (6) 492-5, 2018.




 栁原 克紀 教授C. difficileに対する新薬であるフィダキソマイシンについての論文が日本感染症学会・日本化学療法学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されました(2018年6月付)。

 本研究で検討したフィダキソマイシンは、経口投与してもほとんど吸収されずに高い糞便中濃度を維持できる新規抗菌薬です。スペクトラムは非常に狭く、腸内細菌叢への影響が少ない抗菌薬と報告されています。臨床研究でも、再発性C. difficile感染症に対する有効性がバンコマイシンよりも高いことが示された薬剤です。日本でも2018年7月に製造販売が承認されました(2018年8月時点で薬価は未収載)。
 本研究では、2012年から2015年に当検査部で検出されたC. difficile 50株と48株のClostridium spp.を使用してin vitroでのフィダキソマイシンの有効性を評価しました。最小発育阻止濃度(MIC)の検討では、MIC90が0.12μg/mL(0,015-0.25)であり、バンコマイシンの0.5μg/mL、メトロニダゾールの0.5μg/mL(0.12-0.5)、フィダキソマイシンの代謝物であるOP-1118の4μg/mL(0.5-4.0)と比較して良好な結果を示しました。ただし、Clostridium ramosumについてはMICが64μg/mL以上と高値を示しましたので、この菌種については注意する必要があります。

 当教室では栁原教授森永講師賀来助教を中心に、臨床分離株を用いた新薬の基礎検討を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

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