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2016年12月26日月曜日

検査部忘年会2016

1216日に検査部忘年会が行われました。
今年は、新人さんの余興やテーブル対抗のゲーム、ビンゴなど様々な催しがあり、楽しい忘年会となりました。

2016年は、新中央診療棟への引っ越しやISO15189取得に向けての準備など、検査部にとっても激動の一年となりました。2017年も充実した一年になるよう、検査部一同協力して頑張っていきたいと思います。

2016年12月13日火曜日

TNF-αとレジオネラ感染・J Infect Chemother(original article)



Kawamoto Y, Morinaga Y, et al. TNF-α inhibits the growth of Legionella pneumophila in airway epithelial cells by inducing apoptosis. J Infect Chemother. 23: 51-55, 2017(リンク)





 微生物検査室の臨床検査技師で、当教室の大学院生でもある川元 康嗣 技師のTNF-αによる気道上皮細胞内でのLegionella pneumophilaの増殖阻害についての論文が、日本感染症学会・日本化学療法学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されます(2017年1月付)。

 関節リウマチを中心に生物学的製剤であるTNF-α阻害剤が多く使用され、臨床症状改善・関節破壊進行抑制・身体機能の改善などで多くの効果を認めています。一方で、アメリカのFDAなどがTNF阻害剤の副作用として、感染症のリスクが増すことを警告しており、当教室の賀来敬仁助教重症レジオネラ感染症の一例を報告しています。

 本研究では、TNF-αがL. pneumophila感染に与える影響をヒト気道上皮細胞であるH-292細胞を用いて検討しました。気道上皮細胞にTNF-αを投与すると、L. pneumophilaの増殖が阻害され、TNF-α阻害薬の投与によって、その作用が減弱しました。詳しく検討するとTNF-αを投与したL. pneumophilaが感染した気道上皮細胞では、caspase-3/7の活性化が起こっており、アポトーシスが起こっていることが示唆されました。本研究の結果から、L. pneumophilaが感染すると、TNF-αによって気道上皮細胞のアポトーシスが起こり、そのことによってL. pneumophilaの増殖が抑えられている可能性が示されました。

 当教室には、医師および臨床検査技師の大学院生が、栁原教授小佐井助教賀来助教などの指導の下、気道上皮細胞を用いた感染症の病態解明や抗菌薬の効果について研究しています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください


これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2016年12月12日月曜日

第56回日本臨床化学会年次学術集会@熊本&受賞報告

長谷川講師臼井主任、山内技師が、122日~4日に熊本県で開催された第56回日本臨床化学会年次学術集会に参加してきました。

 臼井主任は「新規免疫自動分析装置Accuraseedでの FT3FT4TSH測定試薬の基礎的検討と迅速性の評価 」の演題名で発表を行いました。
 また、本学会の支部集会で優秀な演題を発表した若手研究者に送られる「日本臨床化学会 学会賞Young Investigator Award」に山内技師が選ばれました。山内技師は3月に長崎で開催された九州支部集会において発表した「成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)におけるCCR4遺伝子変異解析」の研究で受賞しました。

会期中には、第2回認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師指定講習会も開かれました。認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師とは、臨床化学分野ならびに免疫化学分野において、精度管理のみならず精度保証の観点から検査室の管理ができる技師を認定する制度です。今後、検査室には認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師を管理責任者として配置する運営になるため、精度マネージメントシステムの構築およびISO15189の取得を目指す当院にとって重要な教育講習会でした。先日、受講した臼井主任より検査部・細胞療法部カンファランスで講義が行われ、知識の共有化を図りました。

今回の学術集会には600名近い方が参加しており、他施設での臨床化学・免疫化学分野の検討、研究成果についての講演が聞くことができて勉強になりました。



当教室では、若手の検査技師も積極的に研究および学会発表を行っています。
これまでの国内学会報告と受賞報告の報告はこちら→国内学会受賞

2016年12月8日木曜日

APCCMI2016@メルボルン

 栁原克紀教授賀来敬仁助教、そして現在研修医の東野先生が、11月30日〜12月3日にオーストラリア・メルボルンで開催されたアジア太平洋臨床微生物学会(APCCMI)2016に参加してきました。

 APCCMIは、アジア太平洋臨床微生物学会(APSCMI)が主催する学会で2年に一度開催されています。栁原教授は座長および演者、賀来助教と東野先生はポスター発表を行ってきました。学会の1週間前まで発表時間が連絡がないなど国際学会ならではの体験もしたようですが、無事に発表もできたとのことです。東野先生は、初めての国際学会参加でしたが、初期研修で忙しい中でも学生時代に行っていたESBL産生菌の解析についてのポスターを上手に作成していました。
APCCMIの学会場での様子

 学会が開催されたメルボルンは人口400万人を超える大都市で、中心部にはたくさんのビルがあり非常に栄えていました。移民の国であり、いろんな国の料理も楽しめたとのことでした。少し離れたところには、グレート・オーシャン・ロードという「世界で一番美しい海岸道路」があり、ツアーで訪れたとのことです。ツアーでは、野生のコアラを見ることができたり、12人の使徒という奇岩群をみることができたようです。


 当教室では、積極的に国際学会での発表も行っています→これまでの報告はこちら
 また、医学部生で臨床研究および基礎研究を行っている人もいます→これまでの報告はこちら
 興味がある方は、いつでもお問い合わせください(連絡先)。


2016年12月4日日曜日

日本感染症学会・日本化学療法学会 西日本地方会

 11月24日〜26日に沖縄コンベンションセンターで開催された第86回日本感染症学会西日本地方会学術集会/第64回日本化学療法学会西日本支部総会に、栁原教授賀来助教、大学院生の太田先生、山川技師と医学部3年生の石毛くんが参加してきました。

 賀来助教は、昨年受賞した日本化学療法学会西日本地方会・支部長賞の受賞講演、太田先生は、第二内科の医員時代の研究、山川技師はプロカルシトニンの臨床研究、そして石毛くんはMRSA菌血症の臨床研究+菌株の遺伝子解析について発表してきました。
 石毛くんは、研修医セッションの中での発表でしたが、医学部の3年生とは思えないぐらい素晴らしいプレゼンテーションをしていました。今回の発表はかなり大きな経験になったと思うので、今後の更なる成長に期待ですね!



これまでの国内学会報告は→リンク
これまでの学生(リサーチ)についての報告は→リンク

2016年12月3日土曜日

初期研修(11月)

先日、11月に当教室をローテートしてくれた2人の研修医の送別会を行いました。送別会には、栁原克紀教授小佐井康介助教賀来敬仁助教、大学院生の太田賢治先生が参加しました。

1年目の浦島先生は、遺伝子検査室、生理機能検査室、サテライト検査室。2年目の丸田先生は、生理機能検査室、微生物検査室、輸血部で研修してくれました。

2人とも真面目に研修に取り組んでくれており、検査技師からの評判も良かったです。
今後も、気軽に検査部に顔を出してくれることを願っています。




検査部での初期研修については、それぞれの希望を聞いて、その希望に合わせて実習および研修の予定を組んでいます。興味のある分野の技術を習得したい、苦手な分野を克服したいなどさまざまな要望に応えていきたいと考えていますので、興味のある学生さんおよび初期研修医の先生はいつでも相談してください。
 また、検査専門医の取得を目指す後期研修医も募集しています。検査に興味のある方は気軽に相談してください。

以下、リンクです。
検査部ホームページ(学生教育)
検査部ホームページ(初期研修)
検査部ホームページ(後期研修)

これまでの初期研修の記事は→リンク

2016年11月7日月曜日

全国「検査と健康展」2016@長崎市民会館

 11月6日(日)に長崎市民会館で開催された全国「検査と健康展」2016 臨床検査健康フェアに南技師長赤松主任、森内主任、木村主任をはじめとする検査部のスタッフが参加してきました。また、賀来助教も健康相談コーナーに参加してきました。

 「検査と健康展」は、一般の方々に臨床検査についての理解を深めてもらうために、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会が47都道府県で開催しているものです。昨年は諌早市で開催されました(昨年の様子は→リンク)。
 
 経皮的トータルヘモグロビン測定、血糖測定、下肢静脈エコーなど実際に検査を体験出来るだけでなく、病理検査および尿検査における顕微鏡検査の展示などがありました。また、シミュレーターを用いた採血や手洗いチェックなど、来場した方が実際に体験できるコーナーもありました。

 当日は朝からたくさんの人が来場し、検査についての理解を深めてもらえたようです。来年は、佐世保市で開催予定のようです。ご近所の方はぜひお越しください!









2016年10月21日金曜日

エボラウイルス病・臨床病理(総説)




栁原 克紀、佐々木 大介、赤松 紀彦、賀来 敬仁、小佐井 康介. エボラウイルス病(エボラ出血熱). 臨床病理. 64: 1025-1032, 2016.



 当教室の栁原克紀教授のエボラウイルス病(エボラ出血熱)についての総説が、日本臨床検査医学会の機関紙である「臨床病理」に掲載されています(2016年9月付)。この総説では、エボラウイルス病の病原体、感染経路、症状・検査所見、治療および診断のための検査や院内感染対策について解説しています。
 グローバル化に伴って、エボラウイルス病をはじめとした熱帯感染症などが、いつ日本で発生してもおかしくない状況です。発生しないための対策も重要ですが、もし発生した場合にどのような対応をするのかについて検討しておく必要があります。長崎大学病院には第一種感染症病床もありますので、当教室としても検査部門としてどう対応するかを検討しています。

 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2016年10月20日木曜日

太田先生の歓迎会

 先日、10月から検査部に来てくれている太田賢治先生の歓迎会を、研究カンファのメンバーで行いました。

 太田先生は、医学部卒業後は長崎医療センターで初期研修医・後期研修医として過ごし、感染症を専門にやりたいということで長崎大学病院第二内科に入局しました。なので、栁原克紀教授森永芳智助教小佐井康介助教賀来敬仁助教の後輩になります。
第二内科で呼吸器内科医/感染症内科医として研鑽を積んでいましたが、検査部で研究をしたいと病態解析・診断学の大学院生になってくれました。非常に明るく、笑顔で話してくれるのが印象的な先生です。ちなみに、鹿児島のラ・サール高校→九州大学医学部という経歴からも分かるように、かなり優秀です!(→詳しくはこちらのページで

 研究については、賀来助教の指導で、緑膿菌や嫌気性菌を用いた研究を行うようです。今後、どのような研究成果がでるのか非常に楽しみですね!



 長崎大学病院検査部は、さまざまなキャリアを背景にした医師および臨床検査技師が在籍しています。臨床だけでなく、基礎的な研究も積極的に行っていますので、興味がある方は御連絡ください!

 キャリアパスのページ
 大学院生・研究メンバーのページ
 OBコメント(大学院卒業生)



 

2016年10月11日火曜日

第3回日本HTLV-1学会学術集会


82628日に開催されたHTLV-1学会の参加報告です。

長崎においても患者数の多い、ATLの原因ウイルスであるHTLV-1の学会が鹿児島で開催され、今回は長谷川講師と佐々木主任技師が参加しました。
学会会場は、HTLV-1の研究者・臨床医・検査技師・患者さんなど多くの方が参加されていました。ポスター発表の場では、設けられた時間が足りないほど質疑応答が活発に行われており、HTLV-1を研究されている方の熱意が伝わってくるようでした。

佐々木主任はATLにおけるCCR4遺伝子変異について、長谷川講師は新規経口HDAC阻害剤についてポスターを展示しました。その後の懇親会では、鹿児島の名物や地酒などが振る舞われ大変賑やかな会となりました。

基礎研究から症例報告まで、とても充実した内容の3日間でした。
来年は大阪で開催されます。

2016年10月4日火曜日

カルバペネム耐性Aeromonas・Jpn J Infect Dis (short communication)



Murata M, Morinaga Y, et al. The rapid induction of carbapenem-resistance in an Aeromonas dhakensis blood isolate. Jpn J Infect Dis. 69: 439-41, 2016.(リンク)






  微生物検査室所属で、当教室の大学院生でもある村田美香技師のカルバペネム耐性Aeromonas属についての論文が、Short communicationとして国立感染症研究所が発行する英文誌Japanese Journal of Infectious DIseases (JJID)に掲載されました(9月21日付)。

 Aeromonas属菌は、熱帯及び亜熱帯地域の開発途上国で多く分離される菌ですが、国内でも散発的に分離されています。当教室でも、森永芳智助教が原著論文として2編発表しています(Morinaga Y, et al. Diagn Microbiol Infect Dis. 2013)(Morinaga Y, et al. Tohoku J Exp Med. 2011)。本菌は染色体性にcphAimiSのようなカルバペネマーゼ産生遺伝子を保有しているため、カルバペネム系抗菌薬での治療には注意が必要となります。しかし、日本ではその認知度が低く、適切な治療がされていない場合があります。本論文では、カルバペネム系抗菌薬による治療中にカルバペネム耐性を獲得したAeromonas dhakensisの一例を報告しています。

 当教室では、感染症遺伝子検査室を設置し、臨床で分離された菌の遺伝子解析や疫学解析を行っています。また、臨床検査技師の大学院生も多く所属し、研究を行っています。当教室での研究内容に興味のある方は、お問い合わせください


 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク


2016年10月1日土曜日

日本臨床検査自動化学会第48回大会@横浜

9月22日〜24日にパシフィコ横浜で開催された日本臨床検査自動化学会第48回大会に栁原教授宇野助教賀来助教の教官3名、検査技師は臼井主任西村技師、海端技師、碇技師、岩永技師の5名の合計8名が参加してきました。

 医学の中でも臨床検査医学は最も自動化が進んだ領域になります。日本臨床検査自動学会と同じ時間帯には、パシフィコ横浜展示場でJACLaS EXPOという臨床検査機器・試薬・システム展示会が開催されており、学会規模および参加人数もかなり大規模な学会になります。臨床検査の自動化については、血液・生化学などの血液検体を扱う分野が最も進んでいて、検査結果を迅速に出すことおよび標準化に貢献しています。近年では、微生物検査の分野でも自動化機器が登場してきており、これからも発展していくと考えられています。そのため、今回はサテライト検査室の臼井主任、海端技師、血清室の西村技師だけでなく、微生物検査室の碇技師、岩永技師も発表を行いました。また、宇野助教賀来助教もランチョンセミナーやシンポジウムの講演を行いました。

 また、本学会に応募された演題の中から特に優秀な演題に送られる「優秀演題賞」に西村技師が選ばれました。西村技師は血清室で行っている梅毒検査の生物学的偽陽性についての検討で受賞しました。また、社会人大学院生として積極的に研究をしており、ASM microbe2016でも発表をしています。

これまでの国内学会報告は→リンク
当ブログで紹介した受賞報告はこちら→リンク


               右上:懇親会の様子、左下:同時開催のJACLaS EXPO
               右下:大会長の康先生から表彰状を受け取る西村技師

2016年9月30日金曜日

初期研修(7月&9月)

 7月と9月に初期研修の先生が1ヶ月ずつ検査部をローテートしてくれました。
 
 7月にローテートした木岡先生は関東出身ですが長崎の街が好きで長崎大学の初期研修を選んでくれたようです。学生時代は検査部での実習がほとんどなかったとのことで、検査部ではどのようなことをしているのか知りたい!ということで検査部を選んでくれたとのことです。木岡先生は微生物検査室で1週間、生理機能検査室で2週間研修を行いましたが、その他にも輸血の話も聞いてみたいということで、ポリクリの輸血講義にも参加してくれました。毎日行っている血液検査・生化学検査のデータの解釈(ミニR-CPC)でも、研修医1年目の最初とは思えないぐらい正確にデータを読めており、非常に優秀でした。

 9月にローテートした堀内先生は、研修医2年目で、検査部で実際にどのようなことをしているのかみたいということで、検査部を選択してくれました。微生物検査室1週間、生理機能検査室2週間、遺伝子検査室1週間の予定で研修を行いました。研修医で遺伝子検査室の研修を行ったのは初めてでしたが、今年導入した次世代シーケンサーなどの最新の機械に触れてもらいました。また、ミニR-CPCについては2年目ということもあり、しっかりと患者さんの病態まで検査値から読むことが出来ていました。


検査部での初期研修については、それぞれの希望を聞いて、その希望に合わせて実習および研修の予定を組んでいます。興味のある分野の技術を習得したい、苦手な分野を克服したいなどさまざまな要望に応えていきたいと考えていますので、興味のある学生さんおよび初期研修医の先生はいつでも相談してください。

以下、リンクです。
検査部ホームページ(学生教育)
検査部ホームページ(初期研修)

これまでの初期研修の記事は→リンク

2016年9月27日火曜日

新規抗MRSA薬TZDの効果・Int J Med Microbiol (original article)


Kaku N, Morinaga Y, et al. Antimicrobial and immunomodulatory effect of tedizolid against methicillin-resistant Staphylococcus aureus in a murine model of hematogenous pulmonary infection. Int J Med  Microbiol. 306. 421-8, 2016(リンク).



 当教室の賀来敬仁助教のtedizolidのMRSA血行性肺感染マウスモデルにおける有効性についての論文がInternational Journal of Medical Microbiology誌に掲載されました(2016年9月付)。テディゾリド(Tedizolid, TZD)はオキサゾリジノン系の新規抗菌薬であり、アメリカおよびヨーロッパでは皮膚軟部組織感染症に対する治療薬として経口薬および注射薬が承認されたばかりの薬剤で、日本でも第Ⅲ相臨床試験が実施されています。

 本研究では、長崎大学病院検査部で以前から研究しているMRSA血行性肺感染マウスモデルを用いて、TZDが肺感染症でも有効か検討しました。MRSA肺感染症で主に用いられるバンコマイシン(VCM)と比較したところ、TZDはVCMよりも有意に生存率、生菌数を改善しました。また、LZDとの比較においては、生存率・生菌数での非劣性を示しました。本研究でのLZDの投与量が120mg✕2回/日投与であったのに対して、TZDが20mg✕1回/日投与と、投与量がかなり少ない状況でも非劣性であったことから、MRSA肺感染症の治療薬としては有用な薬剤になると考えられます。
 また、同じオキサゾリジノン系抗菌薬であるLZDでは、抗菌作用以外にも免疫調整作用があることが報告されており、賀来助教も以前報告しています(Kaku, et al. Antimicrobial Agents and Chemother, 2014)。本研究ではTZDがLZDと同じように血中の炎症性サイトカインを減少させたことが分かり、免疫調節作用についても期待ができそうです。

 当教室では、栁原教授小佐井助教賀来助教を中心に、臨床分離株、気道上皮細胞、感染症マウスモデルなどを用いて感染症の病態解明や抗菌薬の効果について研究しています。研究に興味のある方は、お問い合わせください


 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2016年9月25日日曜日

HBI-8000 in ATL・Cancer Sci (original article)


Hasegawa H, Bissonnette RP, et al. Induction of apoptosis by HBI-8000 in adult T-cell leukemia/lymphoma is associated with activation of Bim and NLRP3. Cancer Sci. 107: 1124-33, 2016.(リンク)



 当教室の長谷川寛雄講師のATLにおけるHBI-8000の効果についての論文が日本癌学会の英文誌であるCancer Science誌に原著論文として掲載されました。HBI-8000は新規の経口ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤で、日本では末梢性T細胞リンパ腫の治療にかかる希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています(リンク先参照)。現在、悪性リンパ腫を対象とした第2相臨床試験が検討されています。

 本研究では、ATL由来細胞株およびATL患者検体におけるChidamideの効果を評価しました。Chidamideは、ATL由来細胞株およびATL患者検体において腫瘍増殖抑制効果を示し、両細胞にアポトーシスを誘導しました。そのメカニズムとしては、免疫応答や細胞の生存など多彩な生命現象に関与しているNFκBの阻害作用が示唆され、自然免疫系の重要な構成要素であるNLRP3の関与するインフラマソーム経路の活性化がATL細胞死に寄与している知見が得られました。Chidamide によるNLRP3活性化は、がんの新たな治療戦略の一部として大変興味深い現象と思われます。


 当教室では、長谷川寛雄講師を中心に、ATLなどの血液疾患の診断、治療についての基礎研究及び臨床研究を積極的に行っています。研究内容に興味のある方がいらっしゃったら、お問い合わせください
 
 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2016年9月23日金曜日

キノロン耐性肺炎球菌の新規検出法・J Microbiol Methods (Note)


Uno N, Araki N, et al. Clinical application of a ligation-independent pathway of multiplex ligation-dependent probe amplification for the determination of quinolone susceptibility of Streptococcus pneumoniae. J Microbiol Methods. 128:13-5, 2016(リンク).


 当教室の宇野直輝助教が新たな核酸増幅法を開発し、キノロン耐性肺炎球菌の検出に応用した論文がJournal of Microbiological Methods誌に原著論文として掲載されました(2016年9月付)。

 現在、MLPA(マルチプレックスライゲーション依存的プローブ増幅法)というマルチプレックスPCRの応用法が筋ジストロフィー等の遺伝性疾患の検査技術に用いられています。MLPAはその名の通りライゲーション依存的反応と考えられていましたが、宇野直輝助教はMLPAのライゲーション非依存的反応経路を以前明らかにしています(Analytical Sciences. 30: 805-10, 2014.)。今回は、このライゲーション非依存的プローブ増幅という新しい核酸増幅法をキノロン耐性肺炎球菌の検出に応用しました。この方法はMLPAに比べてかなり迅速で簡単な方法であり、微生物の迅速診断技術に応用できます。しかし、現時点ではMLPAほどのマルチプレックスの反応ができないのが課題です。

 当教室では、宇野直輝助教を中心に、遺伝子解析技術をベースとした新規検査法の開発を行っています。研究内容に興味のある方がいらっしゃったら、お問い合わせください






 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2016年9月20日火曜日

受賞報告


生理機能検査室の木村由美子主任が「病院長表彰(優秀職員)」を受けました。
これは、長崎大学病院に勤務する職員で、学会等において積極的に発表を行った職員に授与されるものです。

木村主任は、3月に学位(医学博士)取得後も、心臓超音波検査や微生物検査についての研究を積極的に行っており、国内学会だけでなく海外の学会でも積極的に発表を行っています。

4月から主任となって日常業務も忙しくなっているようですが、今後も生理機能検査および微生物検査の分野で研究を発展させてくれると思います。

当ブログで紹介した受賞報告はこちら→リンク




2016年9月16日金曜日

サイトメガロウイルスDNA定量法・臨床病理(原著論文)






森 沙耶香、森永 芳智, et al. サイトメガロウイルスモニタリングにおける抗原測定法とDNA定量法の比較検討. 臨床病理. 64: 881-886, 2016.





 長崎大学病院検査部の森 沙耶香技師のサイトメガロウイルス(CMV)DNA定量法についての論文が、日本臨床検査医学会誌である「臨床病理」に原著論文として掲載されました(2016年8月付け)。

 現在、日本でのCMV検出はantigenemia法(抗原測定法)が主流であり、CMV pp65抗原を検出するC7-HRP法がよく用いられています。本研究では、欧米におけるCMV検出の主流である核酸検査を用いて血液疾患症例でのCMV検出を検討し、高感度な検出法であることを確認しました。

 森技師は、最近も日本検査血液学会の助成を受けて国際学会でも発表をしており、ルーチン検査だけでなく、研究でも優れた業績を残しています。今後の活躍にも期待です!

 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2016年9月12日月曜日

第7回長崎臨床検査Reversed-CPC研究会@佐世保

9月10日(土)に第7回長崎臨床検査Reversed-CPC(R-CPC)研究会を開催しました。

今回は、佐世保市総合医療センター(旧佐世保市立総合病院)での開催で、長崎市以外での開催は第4回の諌早総合病院以来です。初の県北開催ということもあり、初めて参加された方も多かったようです。

R-CPCの1症例目の担当は長崎大学病院で、バセドウ病未治療症例での感染症を契機とした甲状腺クリーゼの症例でした。甲状腺クリーゼの検査データをみる機会はほとんどないため、非常に勉強になる症例でした。また、2症例目は佐世保市総合医療センターが担当で、気腫性腎盂腎炎+DICの症例でした。検査データのみで重症感染症の病態を読み解く難しさもありましたが、こちらも大変有意義なディスカッションができたのではないでしょうか。

特別講演は、佐賀大学医学部臨床検査医学講座の末岡榮三郎先生をお招きし、「遺伝子診断の現在と未来」というタイトルで、サーキュレーションDNAなどを用いたこれからの遺伝子検査についてお話をしたいただきました。また、メディカルバイオバンクセンターなどの先進的な施設についても紹介していただき、大変勉強になりました。

次回は、2017年3月25日に長崎大学で第8回長崎臨床検査Reversed-CPC研究会を開催する予定です。詳細が決まりましたら、検査部のホームページFacebookでお知らせいたしますので、是非ご参加ください。
初めての方や研修医・学生も大歓迎です!


これまでのR-CPCの報告は→リンク

2016年9月6日火曜日

第63回日本臨床検査医学会学術集会@神戸

 9月1日〜4日に神戸国際会議場・国際展示場で開催された第63回日本臨床検査医学会学術集会に栁原教授長谷川講師宇野助教賀来助教の教官4名、検査技師は木村主任、石原技師、村田技師、山内技師、山川技師の5名の合計9名が参加してきました。

 今回は、第32回世界医学検査学会(IFBLS 2016)および第65回日本医学検査学会、第11回日本臨床検査学教育学会学術大会との4学会合同開催であり、非常に規模の大きな学会となりました。当教室は、日本語の一般演題を5演題、英語の一般演題を2演題(木村主任、石原技師)発表しました。また、長谷川講師宇野助教はR-CPCの演者として発表を行いました。

 学会期間中に行った検査部の懇親会には、昨年まで医学部生として当教室で研究をして、現在は神戸で初期研修をしている東野先生も参加してくれて、非常に盛り上がりました。また、栁原教授の誕生日が近いということで、ケーキのサプライズもあったようです。

 今後も研究成果を学会で発表していけるように、検査部全体として日常業務だけでなく、研究にも積極的に取り組んでいきたいと思います。




これまでの国内学会報告は→リンク




2016年8月5日金曜日

ASM microbe 2016@ボストン

2016616日~20日にアメリカ東海岸、ボストンで開催された感染症の国際学会であるアメリカ微生物学会ASM microbe 2016 に栁原教授、小佐井助教、西村技師、村田技師が参加してきました。世界の感染症関連の学会では最大規模の学会で、参加者が1万人を超える規模の学会です。学会場のBoston Convention Centerにはアメリカ以外にも世界各国から多くの人が集まっていて、非常に熱気がありました。
 長崎大学病院検査部(臨床検査医学講座)からは、西村技師が、菌に薬剤耐性を付与する遺伝子の一種である、プラスミド性AmpC β-ラクタマーゼ (pAmpC) の有無が基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ (ESBL) の同定に与える影響について報告しました。また、村田技師が、日本の製薬会社より開発された新規キノロン系薬AM1977(ラスクフロキサシン)の肺炎球菌に対する作用について、既存のキノロン系薬との比較結果を報告しました。

 開催国のボストンは日本との時差が約13時間あります。海に面している地方のため、魚介類が有名で、水陸両用の乗り物を使ったBOSTON DUCK TOURSというツアーで水上からボストンの街並みを眺めることもできました。その他の観光名所としてはハーバード大学や美術館、フェンウェイパーク(野球場)があります。初めての海外で言葉の壁や食事(量の多さ)に困惑することもありましたが、これまでの研究成果を大きな海外の舞台で発表できたことは良い刺激になるとともに、これからの活力になったと思います。

2016年6月28日火曜日

熊本医療支援活動報告②感染対策

この度、熊本県において発生した地震により被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。
震災から二ヶ月以上が過ぎて報道されることは少なくなりましたが、梅雨の大雨などもあり、まだまだ不安な日々を過ごしている方が多くいらっしゃると思います。当教室としても、今後も微力ながら被災した医療機関の支援等を行っていきたいと考えています。


4月下旬〜5月上旬にかけて当教室の医師・臨床検査技師が以下のような活動を行いました。
①日本臨床衛生検査技師会:南技師長、古島技師(生理機能検査室)、海端技師(サテライト検査室)
②長崎大学医療支援チーム(第6陣):賀来助教
③日本環境感染学会:栁原教授、木村主任(生理機能検査室)、川元技師(微生物検査室)

今回は、②長崎大学医療支援チームと③日本環境感染学会の派遣として行った被災地における感染対策についての活動報告です。



 賀来助教は、阿蘇地域災害保険医療復興連絡会議(Aso Diaster Recovery Organization:ADRO)の感染症対策チーム(ICT)リーダーとして、阿蘇市、南阿蘇村、西原村の医師リーダーや保健師と連携して、避難所における感染対策にあたりました。ADROは被災地の避難所で活動している保健師さんをサポートする組織です(詳細はリンク参照)。基本的にはADRO本部で全体のマネージメントに関わる仕事をする予定でしたが、現場からの要望で阿蘇市、南阿蘇村、西原村の避難所まで行って、避難所を担当している保健師の相談にのったりなどしている時間が長かったようです。避難所によって断水したままのところや収容人数が多く発熱や下痢などの症状がある人を保護する場所の確保が難しいなどさまざまな状況があったとのことです。ADRO ICT活動の詳細については、長崎大学感染制御教育センターの泉川教授(当教室のOBです)のインタビュー記事をみてください(リンク)。

 また、栁原教授、木村主任、川元技師は日本環境感染学会からの派遣で被災地での感染対策の現状などを視察しました。阿蘇地域では、ADRO ICTとして活動していた賀来助教と合流し避難所の現状をみました。また、その後は熊本大学病院や建物が大きな被害を受けた熊本市民病院で現地の先生や医療スタッフなどの意見を聞き、今後の被災地での医療支援について日本環境感染学会へ報告したとのことです。また、熊本大学呼吸器内科から当教室に国内留学していた右山先生とも再会し、熊本市内の避難所の状況なども視察したとのことです。






(左上)ADRO本部で引き継ぎをする賀来助教
(右上)避難所を訪問して状況を確認
(左下)避難所での手洗いについての張り紙
(右下)栁原教授、木村主任、川元技師と現地の先生方

2016年6月13日月曜日

検査部・細胞療法部 新人歓迎会


今年度から医師2名、臨床検査技師3名が検査部に加わりました。そこで先日、検査部・細胞療法部新人歓迎会が行われました。

歓迎会では新人の挨拶だけでなく、検査部・細胞療法部員の顔写真を使ったビンゴゲームなどもあり、大変盛り上がりました。入職から2ヵ月経ち、新人のみなさんも検査部の雰囲気に慣れてきているようです。検査部にとっても、新しい人材を迎えることによって、組織としても良い刺激を受け、より活性化されるのではないかと思います。










2016年6月1日水曜日

ISLH 2016参加報告


512-14日にイタリアのミラノで開催された国際検査血液学会
ISLHInternational Society for Laboratory Hematology)に長谷川講師、佐々木主任、森技師が参加してきました。

長崎大学病院検査部から森技師が、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病を引き起こす原因として有名なPhiladelphia染色体に関連した、abl-bcr遺伝子についてのポスター発表を行ってきました。今回森技師は、日本検査血液学会(JSLH)より本学会発表の助成を受けての参加となりました。
講演では、血液疾患の病型分類に広く用いられているWHO分類について、まだ正式に発表されていない2016年改定版におけるポイントなど最新の話題を聴講することができました。森技師は初めての国際学会参加でしたが、血液検査に関する世界中の様々な報告を聞き多くの事を吸収してきました。





ミラノはイタリアで最大の都市圏人口を擁する都市でヨーロッパ有数の世界都市であると共に非常に歴史の古い街で、長い歴史に培われた古い建物や、「最後の晩餐」に代表される多くの美術品を有します。 またファッションの街としても有名であり、街中で「伝統」と「世界最新」が融合し独特の雰囲気を生み出していました。長崎は石畳の道も多く、東山手・南山手には洋館もあり、路面電車が通っており長崎とイタリアはなんとなく似ているなと感じました。少しですがイタリアの文化に触れ、イタリアの奥深さを知ることができました。
今回の国際学会参加で、色々な意味で刺激を受けることができました。





 



2016年5月31日火曜日

熊本医療支援活動報告①DVT対策

この度、熊本県において発生した地震により被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。震災から一ヶ月半以上が過ぎましたが、まだまだ不安な日々を過ごしている方も多くいらっしゃると思います。当教室としても、今後も微力ながら被災した医療機関の支援等を行っていきたいと考えています。

さて、4月下旬〜5月上旬にかけて当教室の医師・臨床検査技師が以下のような活動を行いました。
①日本臨床衛生検査技師会:南技師長、古島技師(生理機能検査室)、海端技師(サテライト検査室)
②長崎大学医療支援チーム(第6陣):賀来助教
③日本環境感染学会:栁原教授、木村主任(生理機能検査室)、川元技師(微生物検査室)

今日は、①日本臨床衛生検査技師会派遣の3名が行った深部静脈血栓症(Deep Vein Thrombosis;DVT)対策についての活動報告です。

 被災地では、避難所や車中泊などでDVTとなり、肺塞栓症などの重篤な疾患が増加していることが問題となっていました。そこで、3名は熊本市を中心に避難所でDVTのリスクがある人のスクリーニングを行いました。DVTがあるかどうかの判定には超音波検査が簡便かつ重要です。

 スクリーニングではまず、避難所や検診車などで被災者の方の下肢静脈の超音波検査を行いました。超音波検査で血栓が認められた場合は、血液検査でD-dimerの測定を行い、2.0μl/dl以上であれば医療機関への紹介となりました。また、D-dimerが2.0μl/dl以下の場合と、超音波検査で血栓がなくてもDVTハイリスク(表参照)の場合は、弾性ストッキングの指導を行ったとのことです



 現時点でも車中泊や避難所で生活をされている被災者の方も多くいらっしゃるようですので、DVT対策は継続して行っていく必要があるようです。
 災害時のDVTについては、日本内科学会のHPなどに詳しい内容が記載されています(リンク



(左上)下肢静脈エコー(右上)D-dimer測定
(下)避難所のスペースがない場合は検診車でスクリーニング



2016年5月25日水曜日

初期研修&クリクラ


先週から検査部をローテートしている研修医の明穂先生の歓迎会と、今週まで1ヶ月間検査部でクリクラの実習を行った牟田くん、吉岡さんの送別会が昨日行われました。

 明穂先生は今週までの2週間、生理機能検査室の森内主任が中心となって指導をして、超音波検査の研修をしてもらっています。検査技師とのコミュニケーションも良好で、まだ研修を始めて1週間ですが、腹部のルーチン検査をある程度できるレベルになっているようです。来週からの2週間は微生物検査室で研修を行い、グラム染色などの感染症診断の基礎となる手技を習得してもらう予定です。
 
 牟田くんは、微生物検査室、輸血部、サテライト検査室(生化学、血液)をローテートし、吉岡さんは微生物検査室、生理機能検査室、サテライト検査室(生化学、血液)をローテートしました。二人とも勉強熱心で、毎日行っている血液検査・生化学検査のデータの解釈(Reversed-CPC)でも、検査データから病態や全身状態などを読み解けるようになってきています。

 検査部でのポリクリは基本的なスケジュールが決まっていますが、クリクラおよび初期研修については、それぞれの希望を聞いて、その希望に合わせて実習および研修の予定を組んでいます。興味のある分野の技術を習得したい、苦手な分野を克服したいなどさまざまな要望に応えていきたいと考えていますので、興味のある学生さんおよび初期研修医の先生はいつでも相談してください。

以下、リンクです。
検査部ホームページ(学生教育)
検査部ホームページ(初期研修)



(左上)森内主任と明穂先生
(右上)腹部超音波検査をしている明穂先生
(左下)昨日の歓送迎会
(右下)サテライト検査室で自分の血糖チェック中


2016年5月10日火曜日

台湾からのリサーチセミナー

 先週までの1か月間、台湾の高雄大学から医学部6年生のPing-Chia Changさんがリサーチセミナーで検査部に来ました。宇野助教が指導を担当し、検査部に導入されて間もないデジタルPCRを使って、血中cell-free DNAの定量検査系の検査前条件検討をしてもらいました。

 彼女は理解が早く、英語が堪能で、積極性があり、作業が素早くかつ丁寧でしたので、もっといてもらいたいくらいでした。

 宇野助教は留学経験もあり、英語による指導に問題はありませでしたが、検査部では依然として英語の厚い壁があり、彼女にとって会話をできる人が限られたのは残念でした。ただ、検査部に高次臨床実習に来ていた同学年の医学生と仲良くなれたのは良かったです。

 英語なくして国際化はなしえません。これは検査部の課題です。

2016年5月9日月曜日

クリクラ・研究医枠

少し前になりますが、4月26日にクリクラの送別会および研究医枠の学生の歓迎会を兼ねて、研究などで当教室に来てくれている学生との懇親会を開きました。

長崎大学臨床検査医学講座としては、以前から講義やポリクリなどで学生教育を担当していますが、昨年から6年生のクリクラ、今年から2年生の研究医枠の学生の受け入れを始めました。また、東野くん(現在研修医1年目)が当教室でESBLについての研究をしたことをきっかけとして、研究に触れてみたいという医学部の学生が教官や臨床検査技師と一緒に研究をしています。

学生が教室に来てくれることは私達にとって大きな刺激になっています。臨床検査に興味がある、臨床研究や基礎研究に興味があるという人は気軽に相談してください(当教室の学生教育)。