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2018年11月27日火曜日

日本感染症学会・日本化学療法学会西日本地方会@鹿児島

 2018年11月16日〜18日に鹿児島市で開催された第88回日本感染症学会西日本地方会、第61回日本感染症学会中日本地方会、第66回日本化学療法学会西日本支部総会に教官3名、大学院生2名(医師1名、検査技師1名)の計5名が参加しました。

 栁原 克紀 教授は、シンポジウムや教育セミナーの座長・司会を担当しました。森永 芳智 講師は日本環境感染学会合同シンポジウムで「CREの治療選択」について講演し、一般演題でも「サイトメガロウイルスの核酸検査」について発表を行いました。賀来 敬仁 助教はシンポジウムで「呼吸器感染症での微生物検査」について発表しました。また、日本感染症学会西日本地方会の「感染症優秀論文賞」を基礎的領域で受賞したため、その授賞式と受賞記念講演に出席しました。

 大学院生の太田 医師は現在研究している「MRSA肺炎の基礎的・臨床的研究」についてポスター発表を行いました。村田 技師は、「腸内細菌叢Dysbiosisとグラム陰性耐性菌腸管定着」と「大腸菌のレボフロキサシン耐性機序」の2つの演題が日本化学療法学会西日本支部活性化委員会の推薦演題(基礎)として選ばれ、発表を行いました。Dysbiosisの演題で特別賞に選ばれました!村田 技師は、これまでも原著論文を執筆するなど業績をあげていますので、今後のさらなる活躍に期待です。




2018年11月21日水曜日

日本臨床検査医学会参加&専門医取得

 2018年11月15日〜18日に京王プラザホテルで開催された第65回臨床検査医学会学術集会に教官4名、検査技師 6名の合計10が参加しました。
 発表としては、宇野 直輝 助教が「学術推進プロジェクト」の研究結果最終報告を行いました。一般演題としては、石原 主任が間接蛍光抗体法による全自動蛍光抗体法分析装置、松本 技師が生物学的偽陽性と自己抗体の関連性、木村 主任がSLEに発症した多発性脳梗塞の症例報告、山内 技師が次世代HTLV-1クロナリティ解析法、渕上 技師がpure erythroid leukemiaの症例報告で発表しました。


 また、賀来 敬仁 助教が、8月に実施された第35回臨床検査専門医認定試験で合格し、「臨床検査専門医」の認定証授与が総会で行われました。臨床検査専門医は、基本領域の1つであり、当教室でも栁原 克紀 教授、長谷川 寛雄 准教授、森永 芳智 講師、宇野 直輝 助教が既に取得しており、今回取得した賀来 助教も含めて5人が取得しています。賀来 助教は、総合内科専門医、呼吸器専門医、感染症専門医に続いての専門医資格取得になりました。



2018年11月19日月曜日

坂本先生着任&歓迎会


 2018年9月から検査部の助教として坂本 啓 先生が着任しました。9月には研究メンバーを中心に坂本先生の歓迎会が開催されました。


坂本先生は8月までミシガン大学のNunez Laboratoryで勤務しており、当教室の森永  芳智 助教が同ラボに留学していた縁もあって、長崎大学に来てくれました。ミシガン大学でも基礎研究で素晴らしい業績をあげていますが、消化器内科医としての経験も豊富です。当教室でも基礎研究だけでなく、超音波検査を中心に臨床面での活躍も期待されます。

2018年10月24日水曜日

学会参加報告

・「第19回日本検査血液学会学術集会」
 201872122日に埼玉県大宮ソニックシティーで行われた、「第19回日本検査血液学会学術集会」に鶴田副技師長が参加しました。鶴田副技師長は、テクニカルセミナー「フリーサイトメトリー検査を用いた造血器腫瘍診断の進歩」で主義的観点からゲーティング、抗体パネルについて講演を行いました。



「日本臨床化学会 第58回年次学術集会」
 2018824-26日に愛知県名古屋国際会議場で行われた、「日本臨床化学会 第58回年次学術集会」に生化学検査室の西村主任と免疫血清検査室の田浦技師が参加しました。西村主任は「溶血におけるcfDNA中のリファレンス遺伝子の変化」という演題で、機械的に血液を溶血させると、cfDNA中のリファレンス遺伝子が増加する事を発表しました。田浦技師は、「全自動化学発光免疫測定装置「Alinity i システム」の性能評価」という演題で、アボットジャパン株式会社から発売された全自動化学発光免疫測定装置「Alinity i システム」を当検査部が世界で初めてルーチン検査に導入するときに行った基礎的検討の結果を報告しました。



当検査部では、積極的に研究および学会発表を行っています。
これまでの国内学会参加報告はこちら。

2018年10月5日金曜日

学位取得!

 当検査部生化学検査室の西村 典孝 主任検査技師が学位(医学博士)を取得しました。西村主任は、検査技師として日常業務を行いながら、社会人大学院生として当教室の大学院でplasmid媒介AmpCの分子疫学解析を中心とした研究を行いました。9月に紹介した「Plasmid-mediated AmpC β-lacatamase and underestimation of extended-spectrum β-lactamase in cefepime-susceptible elevated-ceftazidime-MIC Enterobacteriaceae isolates(リンク)」で原著論文としてJJIDに掲載され、その業績をもとに6月6日に学位取得となりました(学位論文リンク)。

 サテライト検査室の生化学部門の主任をしているため、日常業務が忙しいとは思いますが、今後も大学院生の時の経験を活かして研究を行ってもらいたいです。



 当教室には他の施設で働いている臨床検査技師も含めて社会人大学院生が多く在籍しています。研究にも興味がある方はいつでもお問い合わせください。
 
 当ブログで報告したこれまでの学位取得はこちら→リンク




2018年10月1日月曜日

認定資格試験合格!

認定資格試験合格の報告です。
血液検査室の森技師が、一級遺伝子分析科学認定士に合格しました。
遺伝子分析科学認定士は高度な専門知識および技術に対応できる遺伝子分析科学技術者の育成を図り,遺伝子分析または遺伝子関連検査の発展・普及を促進することを目的とし設けられた制度で、初級と1級があります。初級に認定され5年経過すると1級の受験資格が得られます。試験で問われる内容は、ヒトの解剖学,生理学,生化学,分子生物学,遺伝子検査の倫理、英語論文の読解など広範であり、1級の合格率は平均30%未満、今年度の合格者はわずか4名と、とても狭き門です。今後の森技師の活躍に期待です。


長崎大学病院検査部では、今後も様々な分野で技師が活躍できるよう精進してまいります。


2018年9月19日水曜日

受賞報告(井上満治医学研究奨励基金)

 当検査部の微生物検査室所属の村田 技師と医学部5年生で2年生のときから当教室でMRSAについての研究をしている石毛 君が平成30年度井上満治医学研究奨励基金を受賞しました(大学のリンクはこちら)。

 この奨励基金は、在学中に優れた研究発表を国際学会、国際誌に行った者、あるいは将来国際的な医療・研究活動を期待できる医学系大学院生、学部学生に報奨金として授与されるものです。村田 技師は、大学院入学後に1st authorとして執筆した学術論文(リンク)で、石毛 君は現在投稿準備中で今年のASM Microbe 2018で発表した研究(リンク)で受賞しました。

 二人の今後の活躍にも期待したいです。


当教室では、これからも検査技師の研究および学術活動を積極的に支援していきます。
 これまでの受賞報告は→こちら

 

2018年9月18日火曜日

第11回長崎臨床検査R-CPC研究会



98日(土)に、長崎大学医学部良順会館で第11回「長崎臨床検査Reversed-CPC研究会」を開催しました。

今回は初の試みとして、ランチョンセミナー「NGSの最新情報、そしてゲノム医療の実現を目指して」(イルミナ株式会社)を行いました。特別講演では、 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科リウマチ・膠原病内科分野教授 川上 純 先生に、「サイトカインや免疫担当細胞とリウマチ性疾患との関わり」という題目で、免疫疾患に関係するJAK伝達経路や免疫疾患との重要性について御講演頂きました。

R-CPC1症例目の担当は、長崎医療センターの井田 技師に担当して頂きました。播種性骨髄癌症の症例で、急激に悪化してDICからMAHAを起こし亡くなられたという症例でした。2症例目の担当は長崎大学病院の大林技師で、低カリウム血症と代謝性アルカローシスからアルドステロン症を疑う症例でした。追加データでは、血清アルドステロン、血漿レニンがともに低値で、漢方薬の一種である甘草が原因で起こる偽性アルドステロン症という症例でした。
 両症例とも示唆に富む症例で、検査データをよく読んで有効な追加検査を行うことの重要性を再認識でき、とても勉強になるR-CPCでした。

 
次回開催につきましては、詳細が決まりましたら検査部のホームページやFacebookでお知らせいたしますので、ぜひご参加下さい。
 
初めての方や研修医・学生も大歓迎です。参加の連絡は不要ですので、お気軽にお越しください。

これまでのR-CPCの報告は→リンク


2018年9月10日月曜日

腸内細菌科細菌におけるplasmid媒介性AmpC・Jpn J Infect Dis


Nishimura F, Morinaga Y, et al. Plasmid-mediated AmpC β-lacatamase and underestimation of extended-spectrum β-lactamase in cefepime-susceptible elevated-ceftazidime-MIC Enterobacteriaceae isolates. Jpn J Infect DIs. 71 (4): 281-5, 2018.


 当教室の大学院生(2018年〜月学位取得)であった生化学検査室の西村主任の〜についての論文が国立感染症研究所が発行する英文誌Japanese Journal of Infectious DIseases (JJID)に原著論文として掲載されました(2018年6月24日付)。


基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamaseESBL)やプラスミド媒介性AmpC β-lactamase (plasmid-mediated AmpC β-lactamasepAmpC)を保有する腸内細菌科細菌が、世界的に広がっています。pAmpCの存在、特にESBLと同時に保有している際に薬剤耐性菌の同定を複雑にしており、pAmpCESBL表現型の検出を干渉する可能性があります。そこで、本研究ではESBL産生菌の可能性があるセフタジジムの最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentrationMIC)pAmpCが加水分解できないセフェピムのMICに着目し、ESBL単独、pAmpC単独、ESBLpAmpCを保有する可能性のある株およびESBL表現型の検出に与えるpAmpCの影響を調査しました。その結果セフェピム感性セフタジジムMIC上昇の株におけるpAmpC保有率は27.5%と高率で、この集団でpAmpC保有株を効率的に検出できたと推測されます。また、pAmpC保有株ではESBL遺伝子を保有しているにも関わらず、表現型ではESBLと判定されていない株が有意に多く認められました。これらのことから、pAmpCがESBL表現型の判定に影響を与えている可能性が示唆されました。

 当教室では、栁原 教授森永 講師賀来 助教の指導のもと、微生物の分子疫学的解析をを行っています。臨床検査技師の大学院生も多く所属し、研究を行っています。また、研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2018年9月4日火曜日

AccraseedによるTSH、FT4およびFT3の測定・医学検査

臼井 哲也、南 惣一郎、賀来 敬仁、栁原 克紀. 新規免疫自動分析装置AccraseedによるTSH、FT4およびFT3測定試薬の基礎的検討. 医学検査. 67 (4): 443-50, 2018.


 当検査部の生化学検査室所属の臼井主任の新規免疫自動分析装置によるTSH、FT4、FT3測定試薬の基礎的検討が、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会の機関紙である医学検査に技術論文として掲載されました(2018年7月付)。

 患者への速やかな治療の開始などの観点から診療前検査が普及しています。今回、検体の採取から結果報告までの迅速化の可能性を検討するために、測定時間が10分という自動化学発光酵素免疫分析装置Accuraseedを用いてTSHFT4FT3の基礎的検討を行いました。また本装置とルーチン法のモジュラーおよびARCHITECT、ルミパルスの3機種の装置を用いて迅速性に関する比較検討を行ったので報告する。甲状腺3項目の基礎的検討として、再現性(同時、日差)、相関性、最少検出感度、直線性、共存物質の影響について検討を行った。その結果、ルーチン法との相関性において回帰式傾き(本法が低め傾向)および乖離検体(1例)が認められたが、それ以外の同時再現性、最少検出感度等他の検討の全てにおいて、良好な結果が得られた。なおFT3において発生した乖離検体1例についてはPEG処理による測定値挙動から異好性抗体の影響を本法が受けている可能性が考えられた。また迅速性の検討において、結果報告時間は、本装置では15分で、モジュラー、ARCHITECTおよびルミパルスは各々27分、33分、37分となり、本装置を用いることでTATの短縮化の可能性が示唆された。

 当検査部では、基礎研究だけでなく、検査に関連した臨床研究も積極的に行っています。
 これまでに紹介した論文は→リンク

2018年8月30日木曜日

高感度インフルエンザ抗原迅速検査システムの有用性・感染症学雑誌


岩永 祐季、小佐井 康介, et al. 高感度インフルエンザ抗原迅速検査システムの有用性. 感染症学雑誌. 91 (5): 747-51, 2017.


 昨年になりますが、当時微生物検査室所属(現在は生化学検査室)の岩永 祐季 技師の高感度インフルエンザ抗原迅速検査システムについての検討が一般社団法人日本感染症学会の機関紙である感染症学雑誌に原著論文として掲載されました(2017年9月付)。

本検討では銀増幅によりインフルエンザウイルス検出感度を高めたイムノクロマト法(銀増幅IC法)の有用性を検討しました。イムノクロマト法を原理とする従来法と比較したところ、両検査法の一致率は94.1%でした。インフルエンザウイルス陽性率は銀増幅IC15.8%、従来法10.8%でした。本検討では従来法の結果のみを臨床に返送しましたが、銀増幅IC法が陽性の症例のうち、ノイラミニダーゼ阻害薬が投与されたのは従来法が陰性の場合には9.1%、陽性の場合には90.5%と後者で有意に高い結果でした。また、抗菌薬が投与された割合は、従来法が陰性の場合45.5%、陽性の場合には19.0%と後者で低い傾向でした。院内感染対策では銀増幅IC法が陽性であったにもかかわらず、従来法が陰性であったためにノイラミニダーゼ阻害薬が投与されないまま入院もしくは入院継続となった症例がありました。
 本検討では、銀増幅IC法により高感度にインフルエンザウイルスを検出することは、適切なノイラミニダーゼ阻害薬の投与や不要な抗菌薬投与の抑制、および適切な感染制御の実施に貢献できる可能性が示唆されました。

 当教室では、栁原 教授森永 講師賀来 助教の指導のもと、微生物検査についての基礎検討および臨床研究を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2018年8月28日火曜日

パンヌスが原因であった大動脈弁位人工弁機能不全の2症例・超音波検査技術




古島 早苗、尾長谷 喜久子, et al. パンヌスが原因であった大動脈弁位人工弁機能不全の2症例. 超音波検査技術. 43 (3): 274-80, 2018.


 当検査部の生理機能検査室所属の古島 早苗 技師の人工弁機能不全症についての症例報告が一般社団法人日本超音波検査学会の機関紙である超音波検査技術に症例報告として掲載されました(2018年6月付け)。

人工弁置換術後症例では,異物である人工弁が体内にあることによって種々の反応が起こります。今回の症例であるパンヌスもその一つです。パンヌスとは人工弁の周辺から発育する線維性の自己組織のことで、過剰増殖が起こると人工弁の開閉障害や,弁直下に張り出すことによって狭窄を引き起こすことがあります。しかし人工弁置換術後の心エコー図検査では、アーチファクトにより弁周囲の描出が困難である症例が非常に多く存在します。本論文の2症例はどちらも術前にパンヌスを疑うようなエコー像は描出できませんでしたが、種々のドプラ心エコー図所見からパンヌスを強く疑ったことで、精査、手術をするに至った症例です。ドプラ所見の急激な変化や経年的増悪があれば、人工弁機能不全を疑うことが重要であると考えられました。

 古島技師は先日も記事にしたように学会賞も受賞しています(リンク)ので、今後も活躍してくれると思います。

 当検査部では、基礎研究だけでなく他科とも協力して様々な臨床研究を行っています。
 これまでに紹介した論文は→リンク


2018年8月23日木曜日

C.difficileのフィダキソマイシンへの感受性・J Infect Chemother


Yanagihara K, Akamatsu N, et al. Susceptibility of Clostrdium species isolated in Japan to fidaxomicin and its major metabolite OP-01118. J Infect Chemother. 24 (6) 492-5, 2018.




 栁原 克紀 教授C. difficileに対する新薬であるフィダキソマイシンについての論文が日本感染症学会・日本化学療法学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されました(2018年6月付)。

 本研究で検討したフィダキソマイシンは、経口投与してもほとんど吸収されずに高い糞便中濃度を維持できる新規抗菌薬です。スペクトラムは非常に狭く、腸内細菌叢への影響が少ない抗菌薬と報告されています。臨床研究でも、再発性C. difficile感染症に対する有効性がバンコマイシンよりも高いことが示された薬剤です。日本でも2018年7月に製造販売が承認されました(2018年8月時点で薬価は未収載)。
 本研究では、2012年から2015年に当検査部で検出されたC. difficile 50株と48株のClostridium spp.を使用してin vitroでのフィダキソマイシンの有効性を評価しました。最小発育阻止濃度(MIC)の検討では、MIC90が0.12μg/mL(0,015-0.25)であり、バンコマイシンの0.5μg/mL、メトロニダゾールの0.5μg/mL(0.12-0.5)、フィダキソマイシンの代謝物であるOP-1118の4μg/mL(0.5-4.0)と比較して良好な結果を示しました。ただし、Clostridium ramosumについてはMICが64μg/mL以上と高値を示しましたので、この菌種については注意する必要があります。

 当教室では栁原教授森永講師賀来助教を中心に、臨床分離株を用いた新薬の基礎検討を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

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2018年8月21日火曜日

BD MAX C. difficileの性能評価・J Infect Chemother



Morinaga Y, Akamatsu N, et al. Diagnostic utilities of a fully automated molecular test for toxigenic Clostridium difficile. J Infect Chemother. 24: 88-91, 2018.




当教室の森永 芳智 講師のBD MAXシステムによるC. difficileおよび毒素の検出についての論文が日本感染症学会・日本化学療法学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されました(2018年2月付)。
 BD MAXシステムは全自動遺伝子検査システムの一つで、核酸の抽出・増幅・検出を全自動で行うものです。MRSAを検出する試薬については森永 助教が論文にして発表しています(リンク)。今回は同じシステムを使ってC. difficileおよびtoxinの検出について多施設で検討しました。培養検査法での検出を基準とした場合に、抗原検査法では感度が52.8%と低かったのに対して、BD MAXシステムでは感度が98.1%と良好な結果を示しました。
 C. difficileについては本研究および小佐井助教の報告で示されたように抗原検査の感度が低いことが問題となっており、海外では遺伝子検査も行われています。日本でも栁原 克紀 教授が副委員長を務める日本臨床微生物学会感染症領域新規検査検討委員会が2017年7月に遺伝子検査の運用フローチャートを公表しており、保険適用となれば臨床において遺伝子検査も活用出来るようになります。

 当教室では、栁原 教授森永 講師賀来 助教の指導のもと、感染症遺伝子検査についての基礎検討および臨床研究を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2018年8月20日月曜日

受賞報告(日本心エコー図学会)

 当検査部の生理機能検査室所属の古島 早苗 技師が日本心エコー図学会海外学会発表優秀論文賞を受賞しました。これは、心エコー図に関する研究成果を広く海外に発表し、この分野の発展を促進することを目的に、海外で開催される権威ある学会において、心エコー図法に関する研究を行う会員に対して授与される賞となります。
 古島 技師はEuropean Association of Cardiovascular Imaging (EACVI)で発表した「Evaluation of layer strain in right ventricular free wall assessed by two-dimensional speckle tracking echocardiography in patients with pulmonary hypertension」の演題で今回の賞を受賞しました。この研究は右室の心筋は内側の縦走筋と外則の輪状筋の二層で構成されていることに着目し、慢性血栓塞栓性肺高血圧患者を対象に2D speckle-tracking echocardiographyを用いて右室自由壁strainの層別差異の評価を行いました。右室自由壁内層のlongitudinal strainは外層と比較してより低下していることを明らかにし、longitudinal strainの外内層比は慢性血栓塞栓性肺高血圧患者の重症度を予測する有用な指標である可能性を示唆しています。




 古島 技師はこれまでも国際学会で発表しているので、今後の活躍に期待です!


 当教室のこれまでの受賞報告は→リンク

2018年8月14日火曜日

キノロン耐性肺炎球菌に対するラスクフロキサシンの効果・Antimicrob Agents Chemother



Murata M, Kosai K, et al. In vitro activity of lascufloxacin against Streptococcus pneumoniae with mutations in the quinolone resistance-determining regions (QRDR). Antimicrob Agents Chemother.





 当検査部の微生物検査室所属で大学院生でもある村田 美香 技師の新規キノロン系抗菌薬であるラスクフロキサシンの肺炎球菌に対する有効性についての論文が、アメリカ微生物学会(American Society for Microbiology)が発行するAntimicrobial Agents and Chemotherapy誌に掲載されました(2018年2月付)。


菌の耐性化には様々なメカニズムがありますが、キノロン系の抗菌薬に対する耐性化は主に染色体上の遺伝子変異によるものです。呼吸器感染症の重要な原因菌である肺炎球菌では、表面上、キノロン系抗菌薬に対する耐性化はあまり進んでいないと考えられています。しかし、感性と判定された肺炎球菌の中にも遺伝子変異を起こしているものが潜在的に存在しており、これらの菌では抗菌薬の使用による耐性化のリスクが高いため、注意が必要です。この論文では、本邦で創製された新規キノロン系抗菌薬(ラスクフロキサシン)の耐性菌選択性の評価を行いました。既存のキノロン系抗菌薬であるレボフロキサシンやガレノキサシンと比較して、ラスクフロキサシンは耐性菌の出現率が低く、変異の有無が予測できない臨床現場において、肺炎球菌の耐性化抑制に有用であると考えられました。

当教室では栁原教授森永講師賀来助教の指導のもと、臨床分離株を用いた新薬の基礎検討を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2018年8月13日月曜日

ESBL産生肺炎桿菌におけるキノロン耐性・J Med Microbiol

Higashino M, Murata M, et al. Fluoroquinolone resistance in extended-spectrum β-lactamase-producing Klebsiella pneumoniae in a Japanese tertiary hospital: silent shifting to CTX-M-15-producing K. pneumoniae. J Med Mirobiol. 66: 1476-82, 2017.


医学部生の時に当教室で研究をしていた東野 真志 先生と大学院生の村田 美香 技師のESBL産生肺炎桿菌のキノロン耐性についての論文がMicrobiology Societyが発行するJournal of Medical Microbiology誌に掲載されました(2017年10月付)。

 大腸菌や肺炎桿菌におけるESBL産生菌の割合は世界的に増加しています。MRSAや多剤耐性緑膿菌(MDRP)などの従来の薬剤耐性菌は院内で拡散することが多かったですが、ESBL産生菌は入院歴がない患者さんから検出されることもあり、市中で拡散している可能性が指摘されています。ESBL産生菌に有効なβラクタム系抗菌薬はカルバペネム系抗菌薬ぐらいしかありません。タゾバクタム・ピペラシリンも感性であることもありますが、高菌量では有効でないことが報告されています(当教室の論文を参照)。更に、ESBL産生菌ではキノロン耐性菌が多いことも報告されています。

 本研究では、2011年から2013年に長崎大学病院で検出されたESBL産生肺炎桿菌のキノロン耐性について調査しました。調査期間にCTX-M-15型のESBL産生肺炎桿菌が増加していました。レボフロキサシン耐性については、CTX-M-15型が62.5%であったのに対してそれ以外の型では9.1%とCTX-M-15型ではキノロン耐性の割合が有意に高いことが明らかになりました。また、CTX-M-15型とそれ以外の型ではキノロン耐性の保有率に有意な差がありました。本研究から、日本でキノロン耐性を持っていることが多いCTX-M-15型のESBL産生肺炎桿菌が増加していることが明らかとなりました。このような薬剤耐性菌が増加すると抗菌薬の選択肢が少なくなるため、この傾向が持続するのか注意する必要があります。

 当教室では栁原 教授森永 講師賀来 助教の指導のもと、医学部の学生が薬剤耐性菌の基礎検討および臨床研究を行っています。東野先生はこの研究内容について国際学会でも発表を行いました(リンク)。
研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2018年8月10日金曜日

受賞報告(JIC Award 2017&研究助成)

当検査部所属の検査技師と当教室で研究している医学部の学生が受賞したので報告します。

 川元 康嗣 技師がJIC Award 2017を受賞しました。これは日本化学療法学会・日本感染症学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載された論文の中で、特に優れた業績を発表した筆頭著者(原則として毎年1件)に授与されるものです。川元 技師は以前このブログでも紹介した「TNF-αによる気道上皮細胞内でのLegionella pneumophila増殖阻害」についての論文が評価されて受賞しました。


 また、川元技師は日本臨床検査医学会学術推進プロジェクト研究にも「MCR-1遺伝子の保有状況と簡易スクリーニング法の開発」という課題で採択されました。こちらの研究は今回の助成を受けて行います。川元技師の今後の活躍にも期待したいです。


 当教室では、これからも検査技師の研究および学術活動を積極的に支援していきます。
 これまでの受賞報告は→こちら


2018年8月8日水曜日

第34回日本DDS学会学術集会・開催報告

 当教室の栁原 克紀 教授が会長として2018年6月21日(木)・22日(金)と長崎ブリックホールで第34回日本DDS学会学術集会を開催しました。学会名に入っているDDSとは、drug delivery systemの略で、体内の薬物分布を量的・空間的・時間的にコントロールする薬物伝達システムのことです。内服薬の徐放剤、喘息の吸入薬など薬物を目標とする臓器に伝達するものなどが入ります。この学会では、医学・薬学・工学とさまざまな分野の専門家が集まります。長崎では、1990年の第6回(会長:原耕平先生)、2005年の第21回(会長:河野茂先生)以来の開催となりました。

 今回の学会では、栁原教授の専門分野である感染症・化学療法領域とDDSのコラボレーションとして、日本感染症学会とのジョイントシンポジウム「ワクチンとDDS〜臨床でのニーズと基礎でのシーズ〜」、日本化学療法学会とのジョイントシンポジウム「抗菌化学療法とDDS」も行いました。日本化学療法学会とのジョイントシンポジウムでは当教室の賀来 敬仁 助教が「呼吸器感染症における抗菌薬吸入療法」について発表を行いました。

 学会には800名を超える参加者があり、基礎から臨床応用まで多くの演題発表がありました。ザ・ホテル長崎BWプレミアムコレクションで開催された懇親会では、本場である籠町龍踊保存会による龍踊りも披露され、大変盛り上がりました。



 来年は埼玉医科大学国試医療センターの濱口 哲弥先生が会長としてパシフィコ横浜で第35回日本DDS学会学術集会が開催されます。ご興味のある方は是非ご参加ください。


2018年7月4日水曜日

ASM Microbe 2018 @Atlanta

 2018年6月7日〜11日にアメリカのジョージア州アトランタで開催されたASM Microbe 2018に栁原 克紀 教授賀来 敬仁 助教、微生物検査室の赤松主任、医学部5年生で当教室で研究をしている石毛くんが参加してきました。

 賀来助教は、整形外科とビオフェルミン製薬株式会社との共同研究である「周術期の抗菌薬の予防投与が腸内細菌叢に与える影響と耐性乳酸菌製剤の効果」についてポスター発表およびrapid fire talkという5分間の口演発表を行いました。赤松主任は、10年ぶりの国際学会参加で、「パイロシークエンス法による抗酸菌の菌種同定」についてポスター発表を行いました。石毛くんは、これまでに国内学会で発表も行ってきた「MRSA菌血症の分子疫学解析」についてポスター発表を行いました。多くの参加者が興味を持ち、質問をされましたが、しっかりと英語で回答できていました。初めての国際学会としてはかなり上手に発表できていました。





 今回学会が開催されたアトランタはアメリカの南東部にあるジョージア州の州都で、1996年にはアトランタオリンピックが開催されたことで有名です。学会場のすぐ横にはセンティニアル・オリンピック・パークという公園があり、多くの子供達が水浴びをしていました。また、アトランタにはコカ・コーラ、デルタ航空、CNNなどが本社を置いています。学会場のすぐ横にはCNNセンターがあり、徒歩5分のところにはコカ・コーラミュージアムもありました。コカ・コーラミュージアムではコカ・コーラの歴史を学べるだけでなく、最後には世界各国のフレバーを試飲できる場所がありました。





 当教室は積極的に国際学会でも研究発表を行っています。これまでの国際学会の報告はこちら

2018年7月1日日曜日

日本感染症学会・日本化学療法学会参加&受賞報告

 2018年5月31日〜6月2日に岡山コンベンションセンターで開催された第92回日本感染症学会学術講演会・第66回日本化学療法学会総会合同学会に栁原 克紀 教授森永 芳智 助教賀来 敬仁 助教、微生物検査室の赤松主任が参加してきました。 栁原教授は、シンポジウムや生涯教育講演会の司会、委員会報告・ランチョンセミナーの演者などたくさんの役割を担いました。また、今回はアメリカ感染症学会(IDSA)の理事長であるPaul G. Auwaerter教授の講演がありましたが、これは昨年のIDWeek2017で栁原教授と賀来助教が日本感染症学会学際化国際化委員会の委員長および委員としてIDSAと会合をし、その後両学会でやり取りをして実現しました。最終日に日本感染症学会と日本プライマリ・ケア連合学会との共催セミナーが初めて開催されましたが、こちらにも栁原教授が学際化国際化委員会の委員長として委員の山口先生と調整をして開催することが出来ました。今後も、IDSAや日本プライマリ・ケア連合学会など他学会との企画を継続していきたいと思います。

 また、賀来助教が日本化学療法学会 上原感染症・化学療法学会研究奨励賞を「重症感染症ならびに抗菌薬投与による腸内microbiomeの変化と乳酸菌製剤の効果」のテーマで受賞しました。上原感染症・化学療法研究奨励賞は、感染症およびその化学療法又は病原微生物に関する研究において優秀な研究業績を挙げ、今後とも研究の発展を志している研究者に対して授与されます。そして、当教室で大学院生として研究した武田 和明 医師が昨年Journal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されたTedizolid inhibits MUC5AC production induced by methicillin-resistant Staphylococcus aureus in human airway epithelial cells.の論文で第15回日本化学療法学会学術奨励賞を受賞しました。今後のお二人の活躍に期待ですね!




これまでの国内学会参加報告はこちら
これまでの受賞報告はこちら

2018年6月11日月曜日

Cold Spring Harbor Laboratory (CSHL) meeting@New York


 521日から26日まで、宇野 直輝 助教がアメリカのCold Spring Harbor Laboratory (CSHL) meetingに参加しました。

Cold Spring Harbor Laboratoryは、アメリカのニューヨーク州ロングアイランドにあり、とても自然環境が良い場所です。生物学・医学の研究および教育を目的とする研究所で、ノーベル賞受賞者を多数輩出しています。
 本学会は、3食付きで朝9時から夜23時過ぎまでプログラムが組まれています。ポスターセッションでは、ポスター会場は常に混雑しており、ポスターの前で活発な議論が3時間近く続きます。このポスターセッションを通して多くの研究者と知り合うことができる、素晴らしい学会です。



 当研究室では、基礎研究および臨床研究の研究成果をこれからも国際学会で積極的に発表していく予定です。

2018年5月25日金曜日

平成30年度 検査部・細胞療法部 新人歓迎会

4月27日(金)に検査部・細胞療法部の新人歓迎会が行われました。
4月から5名の新人が検査部に加わり、各検査室で頑張ってくれています。
今年の歓迎会ではテーブル対抗のクイズ大会があり、
新人のみなさんに関する問題も出題され、大変盛り上がりました。





5月からは細胞療法部にも1名の新人を迎え、
また新たな風が吹くことを楽しみにしています。

2018年4月20日金曜日

UNLOST認定

 一般検査室の木谷  貴嘉技師がUNLOST(University of Nagasaki Logistics Support Team)に認定されました。UNLOSTUniversity of Nagasaki Logistics Support Team)とは、長崎大学病院が災害対応を行う際、本部業務をサポートする役割を担っており、1年間に8回ある講習を受講し、試験に合格することで認定されます。

 検査部も長崎大学病院の一部門として災害対応を行っており、熊本の震災でも医師・県債技師が従事しました(リンクを参照)。本部業務をサポートするLogistics Support Teamは表には出ないですが、非常に重要な役割を担っています。木谷技師もUNLOSTとして大切な業務を担ってくれると思います。



2018年4月18日水曜日

研修医&海外からの留学生


 4月に検査部をローテートする初期研修医と海外からの留学生の歓迎会をリサーチメンバーを中心に行いました。

 研修医2年目の酒井先生は検査部での研修を5月第2週まで行います。また、台湾の高雄大学から毎年リサーチの学生を受け入れていますが、今年はJingPingさんが1ヶ月間宇野 直輝 助教の指導で研究を行っています。昨日の歓迎会には呼吸器内科の大学院生で、検査部でも黄色ブドウ球菌関連の研究を行う住吉先生も参加してくれました。

 職種や国籍、出身教室に関係なく一緒に仕事や研究をやれる環境が当教室の強みだと思っています。そのため、当教室では研修医、医学部生、国内・海外からの留学生の指導にも力を入れています。興味のある人は気軽にたずねてください。




これまでの初期研修の記事は→リンク
これまでの海外からの留学生は→リンク


2018年4月10日火曜日

第10回「長崎臨床検査Reversed-CPC研究会」

4月7日(土)に、長崎大学医学部良順会館で第10回「長崎臨床検査Reversed-CPC研究会」を開催しました。

R-CPCの1症例目の担当は、長崎みなとメディカルセンターの山田昇一技師で、AMLの症例でした。本症例では、最初に配布する検査値にCBCを載せず、主訴や生化学などの検査値から病態を予測するという面白い試みでした。
 2症例目の担当は長崎大学病院の川良技師で、アルコール性肝硬変とマロリー・ワイス症候群の症例でした。患者の性別や年齢、検査値などから肝硬変とその原因を予測し、更に貧血の原因を推測するという、とても勉強になる症例でした。



 特別講演では、熊本大学大学院生命科学研究部臨床病態解析学分野教授 松井 啓隆先生をお招きしました。「ゲノム医療時代の到来における臨床検査の役割」というタイトルで、次世代シーケンサーを用いた今後の遺伝子検査や次世代シーケンサーの精度管理などについてお話をしていただきました。

 次回開催につきましては、詳細が決まりましたら検査部のホームページやFacebookでお知らせいたしますので、ぜひご参加下さい。
  初めての方や研修医・学生も大歓迎です。参加の連絡は不要ですので、お気軽にお越しください。

これまでのR-CPCの報告は→リンク

2018年3月26日月曜日

初期研修医(2017年度下半期)

2017年度下半期にも3人の初期研修医が検査部でローテートしました。
10月は田川先生、11月は大久保先生、そして現在田中先生が研修を行っています。

 田川先生は内科全般に興味があるということで、サテライト検査室1週間、生理機能検査室2週間、微生物検査室1週間。大久保先生は消化器に興味があるということで、生理機能検査室(腹部超音波中心に)2週間、微生物検査室1週間、サテライト検査室2週間。田中先生は感染症に興味があるということで生理機能検査室1週間、サテライト検査室1週間、微生物検査室2週間の研修を行いました。また、教官と毎日血液検査のデータ読み(R-CPC)を行って、検査データの解釈についても研修を行いました。
 
 当教室での初期研修では、研修医の希望を聞いて研修内容を決定しています。ただし、検体検査系(サテライト検査室)については希望に関係なく必ず研修してもらっています。自分が出した血液検査のオーダーがどのように検査され結果として返されているかを知ってもらうためです。また、残検体からの追加検査をオーダーした場合には実際には多くの人が動いている(簡単に出来るわけではない)という検査室の実状を理解してもらうことも大切だと思っています。

 本年度に研修した先生方は4月から他の病院での研修を行うようですが、検査部での研修経験を活かしてもらえると嬉しいです。

 当教室では初期研修医のローテートにも対応しています。興味のある人は気軽にたずねてください。
以下、リンクです。

検査部ホームページ(後期研修)

これまでの初期研修の記事は→リンク

2018年3月20日火曜日

小佐井先生留学壮行会&検査部・細胞療法部合同送別会

3月16日金曜日 宝来軒別館にて、4月より米国ミシガン州に留学される検査部助教の小佐井先生の壮行会と検査部・細胞療法部合同送別会を同時開催しました。


多数のご出席をいただき、和気あいあいとした、良い会となりました。


新天地においても益々のご活躍をお祈り申し上げます。

2018年3月6日火曜日

クリクラ&リサーチセミナー

 今年も高次臨床実習(クリクラ)とリサーチセミナーの学生が当教室で実習を行いました。クリクラ(医学部5年生)は1月に荒木君、杉本さん、2月に佐藤君と山成君が各検査室での実習およびデータ読み(R-CPC)を行いました。
 また、リサーチセミナー(医学部3年生)では稲尾さんが森永助教および小佐井助教の指導で微生物(感染症)についての研究を、大本君が長谷川准教授の指導でHTLV-1についての研究を行いました。研究成果についての発表も上手に行えていました。
 


 カンファ後はクリクラとリサーチセミナーのお疲れ様会を開催しました。


当教室では、学生の実習にも力を入れています。興味のある人は気軽にたずねてください。
以下、リンクです。
検査部ホームページ(学生教育)

これまでのクリクラについては→リンク
これまでのリサーチセミナーは→リンク

2018年2月27日火曜日

第52回緑膿菌感染症研究会@仙台

2月2日〜3日に仙台の東北大学医学部キャンパスの星陵会館講堂で開催された第52回緑膿菌感染症研究会栁原 克紀 教授賀来 敬仁 助教が参加してきました。緑膿菌感染症研究会は昭和41年から始まった歴史ある研究会で、緑膿菌およびグラム陰性非発酵菌について、基礎から臨床まで幅広い演題が発表されます。今回の大会長の賀来 満夫先生は当教室のOBです。

 今年は栁原 教授が教育セミナーで「多剤耐性緑膿菌感染症に対する検査の進歩と今後の展望」について講演を行いました。また、賀来 助教は一般演題で栁原 教授が代表を務める厚労科研「医療機関における薬剤耐性菌の感染制御に関する研究」の緑膿菌およびアシネトバクター属の薬剤感受性についての解析について発表を行いました。
 2月の上旬だったので、仙台は朝は氷点下の冷え込みだったようです。来年は3月上旬に秋田県で行われるとのことです。

当教室では緑膿菌感染症の病態解析や新規治療薬の有効性評価、菌株の解析などを行っています。感染症の研究に興味のある方などは、いつでもお問い合わせください!

これまでの国内学会報告と受賞報告の報告はこちら→国内学会

2018年2月26日月曜日

HLA-DPのSNPsとB型肝炎ウイルスワクチンの効果・Vaccine



Okada Y, Uno N, et al. Strong influence of human leukocyte antigen-DP variants on response to hepatitis B vaccine in a Japanese population. Vaccine. 35: 5662-5665, 2017.





  当教室の大学院生である岡田 侑也 技師のHLA-DPのSNPsとB型肝炎ウイルスワクチンの効果についての論文が、Edward Jenner Vaccine Societyと日本ワクチン学会の英文誌であるVaccine誌に掲載されました(2017年10月9日付)。

  これまでHLAの変異が慢性B型肝炎に関連しているという報告がありました。そこで、今回は慢性B型肝炎感染症のリスク因子と報告されているHLA-DPとHLA-DQのSNPsがB型肝炎ウイルスワクチンに対する反応と関連しているのかを調査しています。肝炎ウイルスワクチン接種1ヶ月後のHBs抗体価を調査したところ、HLA-DPのrs9277535とrs3077が抗体価と有意に関連していることが明らかとなりました。一方でHLA-DRについてはそのような関連は認められませんでした。これらのことから、B型肝炎ウイルスワクチンに対する反応性においてHLA-DPのSNPsが重要であることが示唆されました。

 当教室では、宇野 直輝 助教を中心に遺伝子解析技術を活用した臨床研究を行っています。
 これまでに当ブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク  

2018年2月23日金曜日

Verigene C. difficileの性能評価・J Infect Chemother




Kosai K, Iwanaga Y, et al. Performance evaluation of the Verigene® Clostridium difficile nucleic acid test, an automated multiplex molecular testing system for detection of C. difficile toxin. J Infect Chemother. 23: 674-7, 2017.




 当教室の小佐井 康介 助教のVerigeneシステムによるC. difficile検出についての論文が日本感染症学会・日本化学療法学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されました(2017年10月23日付)。
 Verigeneシステムは全自動遺伝子検査システムの一つで、核酸の抽出・増幅・検出を全自動で行うものです。血流感染症の試薬については宇野 直輝 助教が論文にして発表しています(リンク)。血流感染症の試薬は現在保険適用となっており日常臨床で使用することができます。今回は同じシステムを使ってC. difficileの検出について検討しました。培養検査法での検出を基準とした場合に、2種類の抗原検査法ではそれぞれ感度が45.5%と27.3%と低かったのに対して、Verigeneシステムでは感度が93.9%と良好な結果を示しました。
 C. difficileについては本研究で示されたように抗原検査の感度が低いことが問題となっており、海外では遺伝子検査も行われています。日本でも栁原 克紀 教授が副委員長を務める日本臨床微生物学会感染症領域新規検査検討委員会が2017年7月に遺伝子検査の運用フローチャートを公表しており、保険適用となれば臨床において遺伝子検査も活用出来るようになります。

 当教室では、栁原教授森永助教小佐井助教賀来助教の指導のもと、感染症遺伝子検査についての基礎検討および臨床研究を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2018年2月22日木曜日

ICC2017@台北&受賞報告

 昨年になりますが、台湾の台北市で11月24日〜27日に開催されたInternational Congress of Chemotherapy and Infection (ICC) 2017栁原 教授賀来 助教、大学院生の太田 医師が参加してきました。ICCは、国際化学療法学会(International Society for Chemotherapy Infection and Cancer)が主催する国際学会です。
 今回は栁原 教授がシンポジウム、賀来 助教が一般演題(ポスター)、太田 医師が一般演題(口演)で発表しました。そして、なんと太田 医師が国際化学療法学会のISC Young Investigator Travel Awardを受賞しました!これは一般演題の中で特に優秀な発表に贈られるもので、賀来 助教も2015年に受賞しています。太田 医師はMRSAフォーラム2017の受賞に続いて2017年度2つめの受賞となりました。これからも素晴らしい研究成果の報告を期待しています。
 往きの飛行機が機材トラブルで出発が数時間遅れた影響で有名な飲茶の店には行けなかったようですが、台北の美味しい料理や故宮博物院なども楽しめたようです。






 当教室では、基礎研究および臨床研究の研究成果をこれからも国際学会で積極的に発表していく予定です。
 過去の国際学会での発表報告は→リンク


2018年2月21日水曜日

第29回日本臨床微生物学会総会・学術集会

 第29回日本臨床微生物学会総会・学術集会が2018年2月9日~11日にかけて、岐阜市で開催されました。当院検査部からも毎年多くの医師・臨床検査技師が参加しています。
 今年は栁原 教授森永 助教小佐井 助教賀来 助教松田 副技師長、佐々木 主任、木村 主任、村田 技師、大学院生の太田 医師と検査部で研究している安武 医師の10名が参加しました。教育講演では教育講演では栁原 教授をはじめ、賀来 助教、木村 主任が講演を行いました。また、シンポジウムでは森永 助教小佐井 助教賀来 助教が発表を行いました。一般演題についても、松田 副技師長、佐々木 主任、木村 主任、村田 技師、太田 医師、安武 医師が発表を行いました。
 2日目の夜には岐阜市内で懇親会も行い、楽しく過ごしたようです。



2018年2月1日木曜日

2017年度教職員組合野球大会

2017年度教職員組合野球大会 検査部 準決勝敗退

 先日行われた院内野球大会準決勝は循環器内科相手に4-8で惜しくも敗れました。
初回に2点を先制しましたが、その後逆転され、一時は同点に追いついたものも、最後は突き放される展開となりました。極寒の中、選手の皆様、幹事の皆様お疲れ様でした。

2018年1月18日木曜日

Infectious Diseases Reserch Seminar in Progress

当院検査部の社会人大学院生の岡田 侑也技師が先日行われた Infectious Diseases Reserch Seminar in Progressで「The molecular epidemiology of Clostridium difficile and the risk facter for harboring toxin gene in Japan」の演題名で発表しました。検査部では大学院在学中の臨床検査技師の国際感覚を身に付けるために英語での発表を行っています。